投資絡みの詐欺が多発…「新日本リサーチ」「東洋抵当証券」etc.
同年7月には「新日本リサーチ」というインチキ証券会社が、実際には株式の売買をしていないにもかかわらず、これを行っているふりをして、全国の資産家から株式の購入資金をだまし取ったとして起訴されています。
さらに同年9月には、投資コンサルタント会社の「トランス・パシフィック・セキュリティーズ」が、もぐりの株式取引で顧客の資金をだまし取った疑いで、社長以下、幹部4人が詐欺罪で逮捕されました。
87年から88年にかけても、投資絡みの詐欺事件が多発しました。
87年3月に摘発を受けた東洋抵当証券の詐欺事件では、実際の抵当証券が1億800万円分しかないにもかかわらず、抵当証券預り証を水増しして販売。全国1500人の被害者から約19億円をだまし取っています。
88年6月には、国債を用いた新手のネズミ講「国利民福の会」が家宅捜査を受け、同年10月に同社会長以下3人が、詐欺罪で逮捕されました。「国債」という、国が発行する有価証券という信用力を利用し、政府関係者の意を受けた事業である風を装い、だましたとされています。
そして、バブル経済がピークを迎えた89年。同年7月には、大阪市淀川区の健康食品会社が、中国茶などの購入を名目に、全国の4812人から79億4200万円をかき集めて破綻。
11月には東京都内の海外先物取引会社6社が、全国の約5000人から150億円余りをだまし取ったとして、このうちの1社の元会長をはじめ、7人が警視庁によって逮捕されました。
今回は、戦後から1980年代のバブル経済にかけて発生した詐欺事件を列挙してみました。時代が変わっても、常に人をだます連中は存在します。もちろん今もそうです。だからこそ、だます人たちの手口を把握することが必要なのです。