金利と将来価値の関係を見てみよう

「お金の時間価値」を理解するためには、まず、利息の計算方法を知っておく必要があります。利息の計算方法には、単利と複利の2通りがあります。単利とは、元本に対してのみ利息がつく計算方法です。

これに対して、複利 ※1は元本のみならず、過去の利息にも利息がつく計算方法です。すなわち、「利息が利息を生む」わけです。
※1 かのアインシュタインは、この利息が利息を生む複利計算を「人類最大の数学的発見」と評しています。

複利というと難しく聞こえるかもしれませんが、考え方はいたって簡単です。たとえば、いま、金利5%の定期預金に100万円を預けたとします。すると、現在の100万円は1年後には

100万円×(1+5%)=105万円

になります。もともと預け入れた100万円と利息の5万円が支払われるからです。

それでは、さらに、もう1年間定期預金に預けておくとどうなるでしょうか? 複利の場合は、元本の100万円だけでなく、利息の5万円も5%で運用すると考えます。したがって、元利合計で105万円に対して、5%の利息がつくので、

105万円×(1+5%)=110.25万円

となります。

このように現在の100万円は2年後には、

100万円×(1+5%)×(1+5%)=110.25万円

と計算できるわけです。これが、

複利計算=利息が利息を生む

ということです。

単利では、現在の100万円は2年後には110万円(100万円+5万円×2年間)です。0.25万円の差は利息が生み出した利息に相当します。