金利が高いほど、増加のペースは速くなる
この計算からもわかるように、現在のX円の、将来における価値は、一般的に次のように計算できます。そして、この将来のお金の価値を将来価値(future value)といいます。
下のグラフは、現在の100万円がそれぞれの金利のときにどのような将来価値になるのかを表わしたものです。金利が高ければ高いほど、また、運用期間が長ければ長いほど、将来価値は大きくなることがわかります。
これは、運用するならできるだけ早い時期にはじめるべきだということです。ちなみに100万円を10%で運用すると20年後には672.7万円になる一方で、1%では122.0万円にしかなりません。複利の効果がよくわかるのではないでしょうか。
●第3回(「5年後に100万円もらえる宝くじ」にいくら払う? カモられないための正解は…)では、今回みてきた将来価値と密接な関係にある「現在価値」などについて解説します。
『増補改訂版 道具としてのファイナンス』
石野雄一 著
発行所 日本実業出版社
定価 2,750円(税込)