家主なのに自由に売却できない?  まさかの事態とは

前回の記事でも、サブリース契約について簡単に触れましたが、サブリースとは家賃の10%~20%を毎月手数料として払えば、入居者が見つからない場合も物件の管理業者(不動産業者)が家賃保証をしてくれるという契約です。

一見、空室リスクを回避できる、とてもいい契約に見えます。家主にとって「賃貸物件が埋まらない」というのは、一番怖いことですから、ワンルーム投資をされる方は必ずといっていいほどこの契約を付けます。

しかし、このサブリース契約、問題点が多いことも事実で、トラブルが多発したために社会問題にもなり、2021年に新たな法律が施行されたほどなのです。しかし、一般の方には、そのリスクがあまりにも知られていません。

結論としては、Aさんはサブリース契約をした不動産業者(つまり販売業者)に物件を買い取ってもらい、この投資から手を引きました。ローンの残債もありましたから、結果的に2物件で200万円ほどの持ち出しとなり、大きな痛手を負いました。なぜ、こんなことになったのでしょうか。家賃保証があり、もうかるはずだった賃貸経営。Aさんのケースのどこに問題があったかを、後編(「家賃保証」の甘言に注意…売るに売れない「サブリース契約」の恐ろしい盲点)で詳しく解説します。

※プライバシー保護のため、実際のエピソードから一部変更しています。