次のドライバーはソフトビジネス

ソニーグループは音楽や映画事業などでさまざまな知的財産を抱えています。その帳簿上の評価額を示すコンテンツ資産は、2022年末時点で1兆5000億円を突破しました。これは金融分野を除けば、同社が持つ非流動資産で最も大きい割合を占めています。

【ソニーグループのコンテンツ資産】

出所:ソニーグループ 決算短信より著者作成

【コンテンツ資産の内訳(2022年3月末時点)】
繰延映画製作費:4534.77億円
テレビ放映権:1012.18億円
ミュージック・カタログ:7047.90億円
アーティスト・コントラクト:152.43億円
音楽配信権:340.61億円
その他:332.57億円

合計:1兆3420.46億円

ソニーグループは家電やゲーム機といったハードウェアから、サービスや音楽・映像などのコンテンツといったソフトウェアで稼ぐ企業へと変貌しています。2022年5月の経営方針説明会でも、「人の心を動かす事業」と銘打ち、コンテンツIP(知的財産)への投資で事業を拡大する方針を示しました。

ハードウェアは売り切り型のビジネスモデルですが、ソフトウェアは継続的な収益が見込めます。ソニーグループの今後は、ソフトウェア事業にかかっているといえるでしょう。

文/若山卓也(わかやまFPサービス)