「楽天銀行」が2023年4月21日、東京証券取引所プライム市場に上場しました。同行は1300万以上の口座と約9兆円の預金(2023年3月末時点)を抱える大手ネット銀行の一角であり、その上場は個人投資家の注目を集めそうです。
【楽天銀行の口座数および預金残高の推移】
そんな楽天銀行も、実は創業当初は苦労の連続でした。今回は楽天銀行の歩みを振り返ってみましょう。
大企業が設立した国内2番目のネット銀行
楽天銀行の前身は「イーバンク銀行」です。2000年1月に伊藤忠商事や日立製作所といった大企業の共同出資によって設立されたインターネット専業銀行で、2001年7月に営業を開始しました。ネット銀行としては、ジャパンネット銀行(現・PayPay銀行)に次いで2番目の開業でした。
楽天グループとの関係は、業績不振に苦しんでいた2008年に始まります。当時のイーバンク銀行は2006年3月期に初めて黒字化したものの業績は安定せず、さらにサブプライムローン問題などで深刻な赤字を計上していました。
そこで楽天(現・楽天グループ)が2008年9月に約200億円を出資し、イーバンク銀行を救済します。その期までは運用していたサブプライム関連資産の損失などで大幅な純損失となりますが、翌期には黒字に転じました。その後、イーバンク銀行は2010年5月に商号を楽天銀行へ変更し、同年10月に楽天の完全子会社となっています。
【イーバンク銀行(楽天銀行)の業績】
出所:楽天銀行(旧イーバンク銀行) 決算短信