今の業績はどれくらい? 今後の成長率は?

先述の通り、現在の楽天銀行はイーバンク銀行時代にさまざまなトラブルに見舞われました。当時を知る人は、楽天銀行が業界トップクラスの規模にまで成長するとは思わなかったかもしれません。

もっとも、楽天銀行株式への投資を検討している人にとっては、過去より現在の状況の方が気になるところでしょう。

楽天銀行の直近の業績は以下の通りです。近年は口座数や預金残高が飛躍的に増加し、売上高に相当する経常収益も1000億円台に乗りました。

【楽天銀行の業績】

出所:楽天銀行 新規上場申請のための有価証券報告書 (Ⅰの部)

楽天銀行の好業績を支えているのが決済サービス利用者の拡大です。ネット銀行は一般に、口座振替といった決済サービスによる手数料収入が重要な収益源となっています。楽天銀行は口座開設者が増えるに従って決済サービスの利用件数も増加傾向にあり、2022年3月期には6億3900万件に達しました。

【決済件数】
2018年3月期:2億5600万件
2019年3月期:3億2000万件
2020年3月期:4億100万件
2021年3月期:5億3700万件
2022年3月期:6億3900万件

出所:楽天銀行 決算参考資料

また貸出金の増加も、楽天銀行の好調な理由の1つです。近年は特に提携ローンや投資用マンションローンの増加が顕著で、全体の貸出金は2022年3月期で約2兆9000億円に上りました。

【貸出金残高】


このように快走している楽天銀行ですが、今後はどれほどの成長を目指しているのでしょうか。同行が2022年4月に定めた「中長期ビジョン」によると、2027年3月期までに約2500万の口座数、約2000億円の預金量などの達成を目標としています。仮にこの通りに進捗した場合、楽天銀行は毎年2桁成長を果たす計算です。

【楽天銀行「中長期ビジョン」の数値目標】

 

文/若山卓也(わかやまFPサービス)