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投資の前にきちんと銘柄を調べていますか? もし調べていない場合「東芝」のように大失敗してしまうかもしれません。東芝の子会社「ウェスチングハウス」は買収した企業の価値を見誤ったために破綻し、東芝本体にも非常に大きなダメージを残しました。
3月29日はウェスチングハウスが破綻した日です。この事件は東芝に半導体事業の売却を迫るほどのインパクトを与えました。東芝に何が起こったのか確認しましょう。
およそ1兆円の最終赤字を計上
ウェスチングハウスは原子力発電に関連するサービスを提供する企業で2006年10月に東芝のグループ子会社となりました。1万2000人もの従業員がいましたが、2017年3月29日に破綻しました。
直接の原因は破綻のおよそ1年前に買収したストーン・アンド・ウェブスター社です。のれん(※)は当初約105億円と見積もっていましたが、買収後に数千億円に上ることが判明しました。
※のれん:買収金額-買収企業の純資産。買収側が支払う実質的なコスト。例えば100億円で買収する場合、純資産70億円の企業ならのれんは30億円、純資産10億円なら90億円となる。
ストーン・アンド・ウェブスターは原子力発電所の建設を手掛ける企業でした。安全意識の高まりなどから原子力発電所の建設コストは上昇傾向にあり、ストーン・アンド・ウェブスターは膨らむ建設費を吸収できず純資産を大きく減らしたとみられます。ウェスチングハウスは買収前にこの事実に気付けず、巨額損失が確定的となってしまいました。
東芝はそれ以上の損失を回避するためウェスチングハウスの破綻を選びます。関連する損失は1兆2000億円を超え、東芝の2017年3月期最終損益は9656.63億円の赤字となりました。
【ウェスチングハウスを巡る経緯】
2006年10月:東芝がウェスチングハウス(以下WH社)を買収
2015年10月:WH社がストーン・アンド・ウェブスター(以下S&W社)の子会社化を決定
2015年12月:WH社がS&W社を買収
2016年4月:WH社で2600億円の減損
2016年12月:S&W社で数千億円の減損の可能性が浮上
2017年3月:WH社破産