東芝の虎の子「キオクシア」とは?

ウェスチングハウスの破綻を受け東芝の財務は急激に悪化します。改善のため施策をいくつか打ち出しますが、そのうちの1つが半導体事業の売却でした。東芝の主要な収益源でしたが分社化し、2018年6月に一部売却しています。当初の社名は東芝メモリでしたが2019年10月に「キオクシア」に変更されました。

キオクシアは東芝時代の1987年、世界で初めてNAND型フラッシュメモリを発明しました。電源を落としても記録データが消えない特性があり、パソコンやデジタルカメラといった多くの電化製品に使用されています。

その後も2007年に3次元フラッシュメモリ、2014年に15ナノメートルフラッシュメモリといった世界初の技術を開発しました。キオクシアのフラッシュメモリシェアは高く2020年は出荷額世界2位に位置しています。

売上高は2021年3月期で1兆1785億円。これは大手半導体メーカーの「村田製作所」(同1兆6301.93億円)や「ローム」(同3598.88億円)に匹敵する数値です。キオクシアは日本有数の半導体メーカーといえるでしょう。

東芝は現在キオクシアホールディングス(キオクシアの親会社)の40.64%の株式を保有していますが将来的に現金化する見込みです。売却か上場のいずれになるか不透明ですが、利益は原則全額を株主還元に充てるとしています。