創業期にライブドアと泥沼の訴訟合戦を演じる

実は楽天グループよりも早くイーバンク銀行と提携していたIT企業がありました。2006年に金融商品取引法違反などで注目された「ライブドア」(当時はエッジ)です。

ライブドアは2003年10月までにイーバンク銀行の筆頭株主となり、両社は提携することを発表します。当時のイーバンク銀行は早期の黒字化が喫緊の課題であり、ECストアなどインターネットサービスを展開していたライブドアと協業することでその達成を目指しました。またライブドア側にも、今後の成長が期待されるインターネット金融の強化を図る狙いがあったとみられます。

しかし経営に対する考え方や企業文化の違いなどから、ライブドアとイーバンク銀行は早々に対立するようになりました。

当時ライブドアは、同社がイーバンク銀行にコスト削減を強く求めたこと、過去の投資案件の不透明さを指摘したことなどから関係が悪化したと主張しています。一方イーバンク銀行は、イーバンク銀行へ出向したライブドア社員がイーバンク銀行の役員や従業員に暴言を吐いたことなどが亀裂となったと主張し、両者で認識が食い違うようになりました。果てには双方が互いに刑事告訴し合う泥沼の展開に発展します。

結局、ライブドアがイーバンク銀行株式を第三者に譲渡することなどを条件に、両社は2004年10月和解しました。発表からわずか1年という短い提携は、互いに疲弊する結果に終わったようです。