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2023年3月、東京駅周辺の八重洲エリアに新しいランドマーク「東京ミッドタウン八重洲」が誕生しました。地上45階建てのビルにはさまざまな飲食店や専門店が出店しており、「ブルガリホテルズ&リゾーツ」が手掛ける日本初上陸となるホテル「ブルガリホテル東京」も開業しています。八重洲エリアはさらなる再開発が決まっており、東京ミッドタウン八重洲はその中心的な存在となるでしょう。
この東京ミッドタウン八重洲を手掛けたのが「三井不動産」です。東京周辺の再開発で多くの受注実績があり、まさに東京の街づくりを主導してきました。
三井不動産とはどのような会社なのでしょうか。歴史を振り返ってみましょう。
三井家の不動産管理から始まった業界の盟主
三井不動産の歴史は大正時代に始まります。日露戦争後、三井家は直轄事業の株式会社化を進め、その持ち株会社として1909年に三井家11人を出資者とする「三井合名会社」を設立しました。三井合名は、日本初の持ち株会社でもあります。
三井合名には、三井家の所有する土地・建物を管理する部門として1914年に不動産課が設置されます。これが三井不動産の起源で、1941年に独立して現在の形になりました。現在、三井不動産は業界で最大規模の売り上げを誇るリーディングカンパニーとなっています。
【主な不動産会社の2021年度の売上高】
出所:各社の決算短信より
三井不動産は、日本初のREIT(不動産投資信託)である「日本ビルファンド投資法人」を設立したことでも知られます。主にオフィスビルで運用されるREITで、約9500億円もの時価総額は日本のREITで最大規模です(2023年4月20日時点)。所有するオフィスビルの管理は三井不動産グループが担っており、日本ビルファンド投資法人を運用する日本ビルファンドマネジメントも三井不動産が筆頭株主となっています。
2021年1月には三井不動産の旗艦物件であった「新宿三井ビルディング」を日本ビルファンド投資法人が取得したことでも話題となりました。取得価格1700億円は、国内のREITでは最高額とみられています。総賃貸可能面積10万2718平方メートル、鑑定評価額1800億円は、日本ビルファンド投資法人が所有する物件でいずれも最大です(2023年4月20日時点)。