・いきなり「4600万円の大金」を得た男の末路…逮捕され人生暗転、なぜ

「味の素」の株式が快走しています。2022年11月に1987年3月の高値4350円を上回り、約35年ぶりに上場来高値を更新しました。その後も値上がりが続き、時価総額は2兆5886億円にまで成長しています(2023年4月19日終値時点)。

【味の素株価(月足終値 1987年1月~2023年3月)】

Investing.comより著者作成

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5月20日は味の素の創業記念日です。これにちなみ、味の素の歴史と現在の業績について押さえましょう。

日本発の味覚「うま味」を発見

味の素の創業記念日は、事業を初めて起こした日ではなく、同社の看板商品「味の素」が初めて一般消費者向けに販売された日に由来しています。うま味調味料「味の素」は、池田菊苗(いけだ・きくなえ)博士の尽力によって1909年に誕生しました。

池田博士は1899年、物理学を学ぶためドイツへ留学しました。そこでドイツ人の体格と健康状態のよさに気付き、「日本人の栄養状態を改善したい」と強く願うようになります。

帰国後、池田博士は味がよくて価格の安い調味料を作り出そうと研究に取り掛かりました。その中で昆布だしを研究するうちに、甘味・塩味・酸味・苦味といった4つの基本の味とは違う別の味があることを確信します。そして1908年、それがグルタミン酸というアミノ酸であることを発見し、「うま味」と命名しました。

池田博士はグルタミン酸を原料とした調味料の製造方法で特許を取得し、当時化学薬品工業界で有名だった鈴木三郎助(すずき・さぶろうすけ)に事業化を依頼します。こういった経緯で「味の素」が販売され、100年以上私たちの食卓を支えるロングセラー商品へとなりました。