お金を拾ったら税金はどうなる?
落とし主から受け取った報労金や落とし主が現れなかった場合に取得したお金は、通達によって「一時所得」に該当すると定められています。
【国税庁 法令解釈通達(34-1)(一部抜粋)】
次に掲げるようなものに係る所得は、一時所得に該当する。
・遺失物拾得者又は埋蔵物発見者が受ける報労金
・遺失物の拾得又は埋蔵物の発見により新たに所有権を取得する資産
出所:国税庁 法令解釈通達 法第34条《一時所得》関係
一時所得は、総収入金額から最大50万円の特別控除額を差し引いて求めます。従って、拾得者の権利として取得する財産が50万円以下なら、基本的に税金は発生しません(他に一時所得がない場合)。
50万円を控除してもなお金額が残る場合、原則としてその半額を他の所得と合算して税金を計算します。例えば拾得者の権利として70万円を受け取った場合、20万円(総収入金額70万円-特別控除額50万円)が一時所得となり、他の所得と合算する際は10万円(一時所得20万円÷2)を用います。
所得税は累進課税が採られており、税率は一様ではありません。もともと高所得を得ている人ほど、拾ったお金に対しても重い税が課せられる仕組みです。
とはいえ、一時所得には最大50万円の特別控除額が設けられているため、拾ったお金で税負担が発生することは少ないでしょう。もし50万円以上のお金を拾うなどして一時所得の発生が懸念される場合、税務署などに相談してみてください。
執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)
証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。