・日本がロシアに「史上初」の対抗措置…米国・EU同調、重大事件も発生

一般に、新聞は信頼されているメディアの1つです。新聞通信調査会が行った「メディアに関する全国世論調査結果(2022 年)」によれば、新聞に対する信頼度はNHKテレビに次いで2番目に大きくなりました。私たちにとって、新聞は正しい情報に触れるために欠かせない存在といえそうです。

【各メディアの信頼度得点(2022年)】

新聞通信調査会「メディアに関する全国世論調査(2022年)」より著者作成

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しかし、過去には新聞の信頼が損なわれる事件もありました。1989年4月20日、「朝日新聞」は記者が捏造した記事を一面に掲載してしまい、大きく非難されます。

記者が故意にサンゴを傷付け事件を捏造

該当の記事は『サンゴ汚したK・Yってだれだ』と題し、朝日新聞の夕刊の一面に載りました。記事には「K・Y」と読める傷が付けられたサンゴ礁の写真も掲載され、心無いダイバーによる自然破壊を告発する内容でした。

しかしその記事に使われた写真は、朝日新聞社のカメラマンが自らサンゴ礁に傷を付けて撮影したものだと判明します。捏造記事を報じてしまった朝日新聞は、世間から痛烈に非難されました。同年6月には朝日新聞社の社長が引責辞任に追い込まれます。

1989年は他にも疑わしい記事が新聞に掲載される事例が相次ぎ、新聞社はそのたびに強い批判にさらされました。一般に新聞に対する信頼は厚く、それを裏切る行為には強い拒否反応が生じるのかもしれません。

その代償か、新聞の購読率は低下し続けています。2008年度ではおよそ9割の人が購読していましたが、2022年度では6割を切りました。購読率の低下は特に全国紙で顕著に表れており、2008年度比で半分以下になっています。現在では新聞以外にもさまざまなメディアが登場し、情報源が多様化していることも理由の1つでしょう。

【新聞購読率】

新聞通信調査会「メディアに関する全国世論調査(2022年)」より著者作成

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【新聞購読率の内訳】

※全国紙:朝日、毎日、読売、産経、日本経済新聞
※ブロック3紙:北海道、中日、西日本新聞

出所:新聞通信調査会 メディアに関する全国世論調査(2022年)