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ときどき大金を拾うニュースが世間を騒がせます。実は意外にも現金の落とし物は多く、毎年およそ60~80億円もの紛失が届け出られ、反対に30~40億円が誰かに拾われているようです。
【現金の落とし物】
出所:警視庁 遺失物取扱状況(令和4年中)
大金が拾われた事件は「1億円拾得事件」が有名でしょう。1980年4月25日、トラック運転手の男性が路上で1億円を拾ったことが報じられ、大きなニュースとなりました。
現金を拾うと、その一部または全部を受け取れる権利が生じます。しかし落とし穴もあり、対応を誤れば罰せられる可能性も否定できません。現金を拾ったらどうすればよいのか、過去の事例と併せて確認しましょう。
落とし主現れず1億円を拾得
1億円拾得事件では、1億円を拾った男性はすぐに警察へ届け出たものの、落とし主は現れませんでした。3カ月たっても落とし主が判明しない場合、拾った人はその落とし物を取得できることが民法で定められています。1億円を拾った男性は、幸運にも1億円を受け取ることができました。
【民法第240条「遺失物の拾得」(一部抜粋)】
遺失物は、遺失物法……の定めるところに従い公告をした後三箇月以内にその所有者が判明しないときは、これを拾得した者がその所有権を取得する。
出所:e-Gov法令検索 民法
1億円拾得事件の9年後には、竹林で約2億円が見つかる「竹やぶ2億円事件」が起こりました。こちらは持ち主が現れ、拾った人には報労金が支払われたようです。
遺失物法では、拾った人は落とし物の5%から20%の金額を報労金として落とし主に請求できる権利が定められています。拾った金額は2億円ですから、このケースでは1000万円~4000万円を請求できる計算です。ただし駅やデパートなど管理者がいる場所で拾った場合、報労金はその管理者と折半されます。
【遺失物法第28条「報労金」(一部抜粋)】
1.物件……の返還を受ける遺失者は、当該物件の価格……の百分の五以上百分の二十以下に相当する額の報労金を拾得者に支払わなければならない。
2.前項の遺失者は、当該物件の交付を受けた施設占有者があるときは、同項の規定にかかわらず、拾得者及び当該施設占有者に対し、それぞれ同項に規定する額の二分の一の額の報労金を支払わなければならない。
出所:e-Gov法令検索 遺失物法