資産に占める自宅の割合を調べる

その他に確認しておくべきこととして、親の資産全体に占める自宅の割合はどのくらいなのか、親とのコミュニケーションを通して推定していかなければなりません。

資産における自宅の割合が高ければ、後々さまざまな準備が必要になってきます。また、不動産などの固定資産の割合が高ければ、子が自宅を相続する場合に、遺産分割や相続税の納税で問題が生じることもあります。

この段階ではより正確な不動産の価額を把握したいので、親に「自宅のことを調べたい」と伝え、固定資産税・都市計画税納税通知書(以下、固定資産通知書)を開示してもらいましょう。

親が自宅以外に不動産を所有していれば、自宅以外の不動産が記載されている固定資産通知書もあわせて開示してもらいます。そうすれば、不動産の価額を取得することができます。

資産全体の中で自宅が占める割合を知るには、他の資産についても把握しなければならないため、資産区分ごとに情報を入力できる表計算シートを作って活用する方法がおすすめです。

現金預金、金融商品、亡くなった時に受け取れる生命保険金、不動産、自社株式(親が会社オーナーの場合)などと区分を分けて、親から取得できた情報を順次入力していくとよいでしょう。

「相続税がかかるか」を調べる方法

固定資産通知書に記載されている金額は、不動産の固定資産税評価額です。建物の固定資産税評価額は、そのまま相続税評価額として利用できますが、土地の相続税評価額は、固定資産税評価額とは異なります。

しかし、次の計算でなら推定することが可能です。

・土地の相続税評価額の目安=土地の固定資産税評価額÷0.7×0.8

・相続税の基礎控除額=3000万円+法定相続人数×600万円

また、上記の式で算出した結果を用いて、

・土地の相続税評価額の目安+建物の固定資産税評価額>相続税の基礎控除額

となった場合は、相続税が課税される可能性があると覚えておきましょう。

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親と財産について話す時は、相続税のことをきっかけに話を広げていくと、協力的に資産情報を開示してくれるかもしれません。また、兄弟姉妹と話をする時も、「将来自宅に住みたいなら、配偶者居住権というものがあって、相続税を減らすことができるかも」などと話を進めると興味を持ってもらいやすいでしょう。

近頃、世の中では空き家の増加が問題となっています。しかし、本来この問題は親と子がしっかりと資産の情報とお互いの思いを共有できていれば、減らすことができるものだと筆者は考えています。

相続で問題が起こってしまってから焦らないためにも、親が存命のうちから家族で自宅について話し始めてみてはいかがでしょうか。

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