親の意向を確認する
子どもたちの意見が整理できたら、いよいよ親に考えを聞いていきます。両親が生きている間は、自宅を処分する選択肢はほとんどないと思いますので、両親には「親のどちらかが亡くなった場合、どこで生活していきたいと思っているか」を聞くといいでしょう。
おそらく、「判断能力があり身体も動かせるうちは自宅で過ごしたい」、「判断能力がなくなったり、身体が思うように動かなくなったりした時は施設で生活したい」と考えている人が多いのではないかと推測します。
将来的に施設での生活を希望している場合でも、いざその時が来てから考えるのでは、スムーズな移動は難しいものです。現時点で施設で生活を希望する意思が確認できたなら、どのような施設で暮らしたいのか、ということから一緒に考え始めるとよいでしょう。
自宅の価値を確認する
子が将来自宅に住まないと考えている場合は、不動産の流動化の方法を探るためにも、自宅の価値を確認しておくといいでしょう。その際、自宅に関する情報や書類の所在をあらかじめ親に聞いておいてください。相続が起こった後に書類を探し出すのは、結構大変です。
特に所在を確認すべき書類は、自宅の土地・建物の登記済証(権利証)、建物確認通知証・検査済証、測量図・建物図面・建築協定書などです。自宅がマンションの場合は、購入時のパンフレットやマンションに関する規約や説明書、といった書類です。
次に、もし売却するならば価額はどのくらいになるのかを調べてみると参考になります。簡単な方法として、インターネットを利用して、宅建業者のサイトに自宅の情報を登録すると調べることができます。
デメリットとして、サイトによっては情報を登録するとしつこく営業連絡が来るようになってしまうので、煩わしいと思う方は注意してください。
自宅の価値を調べるもう一つの方法は、インターネットを利用して、買う人の視点から近隣の売却物件情報を調べることです。
ただし、不動産は自宅に接する道路の状況や土地の形、建築基準法などの法の基準によって、個別性が非常に高く価額差も生じやすいものです。調べた価額はあくまで参考程度にとどめておきましょう。
不動産は売却して換金する以外にも、賃貸する、リースバックやリバースモーゲージローンを活用するなど、流動化する方法は複数あるので、情報を収集してみてください。