・「日銀総裁が不在」の異常事態…国会迷走、マーケット急落の惨事に

いわゆる「旧統一教会」の問題が表面化し、宗教団体に対する視線が厳しくなっています。過激な活動を行うこともある宗教団体に対し、信仰の自由をどこまで保障すべきか大きな議論を呼んでいます。

宗教団体の規制については、「オウム真理教」の問題が顕在化した際もクローズアップされました。決定的となった出来事が、28年前の3月20日に起きた「地下鉄サリン事件」です。事件をきっかけに宗教法人に対する「質問権」が創設され、旧統一教会に初めて行使されました。

6300人が死傷した大事件

オウム真理教は、1984年に設立されたヨガ教室が前身となった宗教団体です。人類救済を名目に殺人をも是とする過激な思想を持ち、武装化しながら徐々に勢力を拡大しました。

教団がより先鋭化したきっかけとされるのが国政進出の失敗です。オウム真理教は1990年、衆議院選挙に25人の立候補者を立てました。しかし1人も当選せず、これ以降オウム真理教は武力による国家転覆を考えるようになり、その手段としてサリンといった化学兵器の生成に走ったと指摘されています。以来、8人の死者を出した「松本サリン事件」をはじめ、化学兵器を用いたさまざまな事件を起こしました。

【地下鉄サリン事件までにオウム真理教が化学兵器を用いて起こした主な事件】
・1993年11月~1994年12月:サリンプラント事件
・1994年5月:弁護士殺人未遂事件
・1994年6月:松本サリン事件
・1994年12月:会社員VX殺人事件
・1994年12月:脱会支援者VX殺人未遂事件
・1995年1月:被害者の会会長VX殺人未遂事件

出所:公安調査庁 オウム真理教

そして1995年3月20日、オウム真理教は地下鉄車両内でサリンの散布に至ります。東京都心で、しかも午前8時という通勤ラッシュの時間帯だったことから、14人の死者を含む約6300人もの被害者が出ました。事件を主導した教祖や教団幹部が相次いで逮捕され、うち13人で死刑が確定します。化学兵器を使い一般市民を無差別に殺傷した事件に、日本中が震撼しました。