旧統一教会に初行使された「質問権」とは

オウム真理教の事件を受け、宗教法人を規制する宗教法人法に新たに「質問権」が追加されました。宗教法人が以下3つのケースに該当する場合、その宗教法人に報告を求めることができるものです。

【質問権を行使できるケース】
・公益事業以外の事業で得た収益を、宗教法人のために使っていない疑いがあるとき
・宗教法人の要件を満たさない疑いがあるとき
​・解散命令に該当する可能性があるとき

【宗教法人法第81条「解散命令」(一部抜粋)】
裁判所は、宗教法人について左の各号の一に該当する事由があると認めたときは、所轄庁、利害関係人若しくは検察官の請求により又は職権で、その解散を命ずることができる。

1.法令に違反して、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為をしたこと。
2.……宗教団体の目的を著しく逸脱した行為をしたこと又は一年以上にわたってその目的のための行為をしないこと。

出所:e-Gov法令検索 宗教法人法

いわゆる旧統一教会の問題を巡り、文部科学省は2023年1月までに旧統一教会に対して質問権を3度も行使しました。質問権の行使は旧統一教会が初めてで、それが連続して行われるということは異例の事態といえるでしょう。2023年2月には、永岡文部科学大臣が4度目の行使もあり得るという認識を示しています。文部科学省は旧統一教会からの報告を精査し、解散請求に踏み切るか判断する見通しです。