物価の上昇、ガソリンの値段変動……。「金利の変動による日常の変化」にはどんなものがあるのか説明できますか? 大きな流れはわかっていても、“からくり”をしっかりと説明するのに言葉が詰まる人は少なくないはずです。
今だからこそ金利について知っておきたい、そう思いつつもなかなか踏み出せない! そんな声に話題の書籍『図解 身近な「金利」と「お金」のことが3時間でわかる本』では、金利の役割や基礎について対話形式でかみくだいて解説。今回は特別に、第2章「金利入門」の一部を公開します。(全3回)
※本稿は角川総一著『図解 身近な「金利」と「お金」のことが3時間でわかる本』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。
金利がわかると「経済視力」が上がる!?
――金利を見る人・見ない人、その差は?
あなたは金利を意識したことがあるかな? こういえば「預金金利とか住宅ローン金利が何%かちゃんと見てるよ」というかもしれない。しかし、ここでいう「金利を意識する」っていうのはちょっと違う。
経済社会で金利が演じている役割をきちんと理解しているとか、家計をうまく回していくために金利っていう道具をどんな風に使うかってことをいいたいんだ。
――金利が演じている役割ですか?
そう。たとえばどんなときに金利が上がるのか、とか、金利が上がったらどうなるのか、って話だ。つまり金利を巡る因果関係だね。これがわかれば、大げさにいうと将来が見えてくる。世の中の動きを見る視界がぐっと広がるんだよね。私は“経済視力が上がる”ってよくいうんだけど、モノゴトがもっとクリアに見えてくる。
――どういうことですか?
たとえば2021年の2~3月のことだけど、アメリカの金利が一段アップした。これはあちこちでニュースになった。金利の基本を勉強していた人だと、この見出しを見ただけで、「あ、株は一時的に下がるな」ってわかる。アメリカだけではなく日本の株もね。また「金の価格も下落するな」って想像できる。
さらには「これは、アメリカで物価がだいぶ上がってきているんだな」ってイメージできる。また「しばらくはドル高・円安傾向かな」って予想できる。「そうすればガソリンの値段も上がるかもしれないな」ってなるんだ。こんなイメージが次から次へと湧いてくるんだよ。
そしてこの手の予想は7割方は当たる。つまり、経済社会を動かしている物語がある程度見通せるんだよね。経済がどんな風に動いているかを知る方法はいくつもあるけれど、その中でも金利は格好のとっかかりを与えてくれるんだ。