義妹が失踪、借金の半分を夫が肩代わりする羽目に

義妹がいなくなったと聞いたのは、それから1年ほどたった後のことです。生命保険会社を辞めた後、「自爆」で作った借金を返すために飲食店で働いていた義妹は、同僚の外国人男性と出国したようでした。報告に来た義弟は小学校に上がったばかりの甥を抱えて数百万円の借金を背負うことになり、あまりのショックで茫然自失の状態でした。結局、義妹の借金の半分は夫が肩代わりすることになりました。

義妹の行方はようとして知れません。今は月に2~3回、老人ホームに義母の様子を見に通っています。「あら、瑤子かい? 今日は陽翔(はると)と一緒じゃないの?」と、義母は訪れた私を義妹と勘違いしているようです。病気のせいか以前の強引さが影を潜め、いつもにこにこしていて、すっかり、かわいいおばあちゃんになりました。

一時期は同じ空気を吸うのも嫌だと思った義母ですが、実家の片付けをしていた際に乱れた字で「わたしのぜんざいさんは、ゆうすけとかおりさんにゆずります」と書きなぐった遺言を見つけ、胸が熱くなりました。

夫は義妹への怒りが収まらず、お酒を飲み過ぎた時などは「結局は俺が貧乏くじを引かされた。二度と顔も見たくない」とよくぼやいています。とはいえ私にすれば自由な時間が持てる今の方が、夫の実家に住んでいた頃よりはずっとマシ。義母に会うたび、義母と面差しのよく似た義妹が今どこでどうしているのか、思いを巡らせています。

●父の遺産で“ママ母”が豪遊!? 詳しくは【「認知症の父」の財産を継母が横取り!? 息子が引き下がった“深い理由”】(本サイト記事)で紹介します。

※個人が特定されないよう事例を一部変更、再構成しています。