本連載ではたびたび、個人投資家の人気が急速に高まっている米国株式ファンドについて取り上げてきた。2022年は最終的に、主として米国を投資対象地域とする株式ファンドに3兆円近い資金が流入し、このうち約7割にあたる1.8兆円がインデックス連動型であった。

グローバル株式インデックスファンドの存在感が増した2022年

個別銘柄では、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」(三菱UFJ国際投信)の年間純流入額が7000億円を超え、国内公募投資信託で「最も売れたファンド」に輝いた。ETFを除く追加型株式投信全体の年間の純流入額は約8.5兆円だったので、米国株式インデックス型だけで、全体の約2割を占めていたことになる。「全世界株式」や「先進国株式」など、米国を含むグローバル株式インデックス型(約1.4兆円)も含めると、実に純流入額の4割近くが、米国を含むグローバル株式インデックス型であったということになる。

S&P500インデックス型の大ヒットの背景については、過去の本連載(インデックスファンドが初の「1兆円」超え! S&P500が人気の真相に迫る)でも言及したが、なんだかんだ言ってマーケットの影響が最も大きかったように思う。株式市場全体が右肩上がりの上昇を続ける中、すでにファンドを保有している人は「もっと上がるはず」と、欲が出てどんどん追加投資をする。一方、これから始めようとのんびり構えていた人も、うかうかしていられないと焦って投資をする……こうした一連の動きが、結果として、2022年の国内投信市場の資金動向に表れたのであろう。