今年はどんな年になる? 主要なスケジュールを確認

IMFが年に2回発表する「世界経済見通し」において、2023年の世界の経済成長率は大きく下方修正されました。2022年4月時点ではおよそ3.55%の成長を見込んでいましたが、半年後の予想では約2.66%に引き下げています。見通しを下げた理由について、IMFは世界的なインフレや金融政策の引き締めなどを挙げました。

【世界GDP成長率の見通し】

IMF「World Economic Outlook Database」より著者作成

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昨年はアメリカの金利上昇が大きなテーマでした。FOMC(連邦公開市場委員会)のメンバーによる2023年末までの政策金利(FF金利)の予想は徐々に引き上げられ、直近の中央値は5.125%となりました。

【FOMCメンバーによる政策金利(FF金利)見通しの中央値】

出所:ロイターグラフィックス 図表で見る米連邦公開市場委員会(FOMC)

アメリカの政策金利は現在4.5%ですから、上昇幅を0.5%とすれば2023年内に1~2回の利上げが行われる計算で、ペースとしては鈍化が見込まれています(2022年は7回、上昇幅4.25%)。

今年最初のFOMCは1月31日から始まる予定ですが、その前に12日のCPI(消費者物価指数)や18日の小売売上高の発表などが注目されるでしょう。

国内においては、日本銀行の総裁人事が注目を集めそうです。「異次元の金融緩和」やマイナス金利などの緩和策を導入した黒田総裁は、今年4月に任期を終えます。政策が大きく変わるような人事は行われないとする見方が大勢ですが、マーケットを支え続けた黒田総裁の後任だけに、市場がネガティブに反応する可能性も否定できません。

日本銀行の次期総裁は内閣によって任命され、その候補者は1~2月中に発表されるとみられています。

執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)

証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。