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消費者が悪質な取引に巻き込まれるケースが後を絶ちません。消費者庁が毎年公開する「消費者白書」によると、2021年度に消費者庁に通知された消費者事故の報告は過去10年間で最も多くなりました。
【消費者庁へ通知された消費者事故等の件数】
悪質な消費者事件のうち、近年大きな話題を集めたのが「ジャパンライフ」です。同社の販売預託商法(現在は原則禁止)は多くの被害者を生み、社会問題化しました。
ジャパンライフは2017年12月26日に事実上の破綻を迎えますが、被害者の十分な救済はいまだできていません。
被害額2100億円…「ジャパンライフ事件」を振り返り
ジャパンライフが行った販売預託商法とは、消費者が購入した商品をいったん業者が預かるという形態の取引です。
消費者は、せっかく購入した商品をなぜ事業者に預けるのでしょうか。それは、業者が「商品を運用すれば高配当を受け取れる」といった言葉で勧誘するためです。
販売預託商法は、高額な商品を購入させ、それを「利率の良い方法で運用するから預かる」などとうたい、引き取る点に特徴があります。従って、購入した商品が消費者の手に渡ることがありません。この仕組みから、運用の実態がなくても消費者はすぐに気づくことができないのです。
ジャパンライフは、2003年ごろから高額な磁気治療器などを消費者に購入させる販売預託商法を展開していました。報道によると、ジャパンライフは購入させた商品を他人に貸し出し、その収益を原資に元本と年6%もの利回りを保証すると説明していたようです。
しかし、実際にはそれだけの高利回りを実現できる運用は行われておらず、少なくとも2017年以降は配当の見込みがないまま資金を集めていました。この頃から配当が滞るようになり、ジャパンライフはシステム障害などと虚偽の説明をしていたようです。
2017年12月、ジャパンライフの資金繰りは完全に窮し、銀行で立て続けに不渡りを発生させました。同月26日に銀行取引停止処分を受けたため、同社は事実上の破綻を迎えます。ジャパンライフは2018年2月、債権者の申し立てを受け、破産手続きが始まりました。被害者は約7000人、被害額は約2100億円に上るとみられています。