今こそ見たい! 1997年の韓国通貨危機を描く映画
映画「国家が破産する日」(2019)

1997年の韓国通貨危機はIMFの介入という重大インシデントにまで発展した。当時の危機にヒントを得て、銀行家、投資家、経営者の3つの視点から韓国が危機に陥るまでを描くフィクション。

ソウルオリンピック開催からOECD加盟と、誰もがさらなる経済成長を信じ先進国の仲間入りを確信していた1997年の韓国。しかし、投資家はじょじょに韓国から資金を引き上げ始めていた。銀行では通貨チームが危機を察知していたが、銀行上層部や政治家は問題を先送りにしようとする。一方で危機を利用して儲けようとするトレーダーもいた…。

現在、円安に苦しめられている日本人には他人事とは思えない物語。当時の韓国のドル買いの極端さに冷や汗が出る。韓国映画らしい政治批判の視点もあり、見ごたえある作品だ。

配信:Amazon Prime Video、Hulu、U-NEXT

 

サブプライムの先駆け? 「お金」の映画としても楽しめる
映画「素晴らしき哉人生」(1947年)

金融ドラマとは少し違うが、クリスマスの映画として選んでみた。アメリカでは必ず年末にテレビ放映されるので、今では誰もが知っている作品だそうだ。主人公は低所得者向けの住宅ローン会社を経営しており、まさにサブプライムローンの貸主といったところ。ヒューマンドラマではあるが、銀行の取り付け騒ぎなど、「お金」を巡る映画として見ても面白い。主人公のジョージは絶望の末に自殺しようとしていた。会社は破綻、自分も実刑判決を受けることが免れないからだ。しかし、そんな時、天使が現れて…。

実は公開当時でさえ、「ベタすぎる」と批判されたというフランク・キャプラ監督のメロドラマ。しかし、今のような波乱の時代にこそ、この作品のメッセージ「no man is failure who has friends」を忘れないでおきたい。

配信:Amazon Prime Video、U-NEXT

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どれも「お金」にかかわる物語ながら、その裏にあるのは人間ドラマだと実感させられる。政治や資源の問題など、まだまだ現実の世の中は落ち着かないが、来年は少しでも明るい年になることを期待したい。