「不動産投資に興味がある」35.4%

今回参考にするのは株式会社グローバル・リンク・マネジメントによる「不動産投資に対する意識調査」だ。全国の一般消費者2万9909人と投資用不動産の所有者400人を対象にしている。

まずは一般消費者の間で不動産投資への興味がどの程度あるのかについて見ていこう。同調査によれば、不動産投資に少なからず興味を持っている層(「現在不動産投資の収入メインで生活をしている」「副業として不動産投資を運用している」「興味があり、セミナーや説明会に足を運んだことがある」「興味はあるが実際に行動したことはない」の合計)は35.4%。過去5年間で最も少ない水準だ。

属性別では、年収が高いほど不動産投資から収入を得ている割合、セミナーや説明会に参加した割合が高い。前年比で見ると、年収2000万円以上では、セミナーや説明会に参加した割合が増加し、不動産投資に悪いイメージを持っている割合は減少。セミナーや説明会に参加したことがきっかけの1つとなって、不動産投資にポジティブな姿勢に変わった可能性もありそうだ。

「不動産投資に対する興味」の調査結果を表した図表
 
出所:株式会社グローバル・リンク・マネジメント 不動産投資に対する意識調査
 

投資費用の高さが不動産投資のネックに

不動産投資に興味を持っていない層は何がネックとなっているのか。同調査では不動産投資に積極的でない層に絞って、不動産投資を行っていない理由を質問している。

結果、最も回答率が高いのは「投資する費用が高い(投資にかける預貯金がない)」で32.4%。次いで「投資そのものに興味がない」(29.5%)、「不動産の知識がない、難しいと思っている」(11.3%)と続く。2位と3位は前年より増加しているが、一方で「資産価値や家賃が下がるリスクがある」(8.4%)は減少し、過去5年で最も低い水準だ。

建築資材コストや人手不足による人件費の上昇などから首都圏のマンションを中心に物件価格が高騰していることが背景にあると同調査では指摘。投資そのものに興味がないといった回答から、不動産投資特有のハードル以外に投資活動自体への意欲が頭打ちになっている可能性も示唆している。

「不動産投資をしていない理由」の調査結果を表した図表
 
出所:株式会社グローバル・リンク・マネジメント 不動産投資に対する意識調査