突発的な事故への覚悟と備え

遠距離を移動するには、飛行機ほど便利なものはない。ただ、それだけに予期せぬ出来事が勃発した場合に、慌てない気構えや準備は必要だろう。

筆者も中国・西安から北京へ飛行する時、北京が大雪のため西安の空港で5時間近く待たされ、夜中の0時30分の出発となったことがある。北京のホテルに着き就寝したのは4時ごろだ。これはまだ目的地に到着したから良い方で、近隣の空港着ということもよくある。天候の理由で出発地での宿泊が避けられなくなった場合、通常航空会社は宿泊費を支払わないことに注意が必要だ。

飛行中に乗客の具合が悪くなり、搭乗員が急きょ医師の同乗を確認するアナウンスを流すことがある。誰も名乗り出ないと機内はパニック状態になってしまい、最悪の場合には近くの飛行場に緊急着陸することもある。自分の健康状態をよくチェックし、搭乗するか否かの判断をすることが必要だろう。

飛行便の遅れや接続がうまくいかなかったことなどで、目的地で手荷物が受け取れないこともある。見つかっても、何者かが解錠し荷物を物色した跡がある場合もある。大事なものは、機内持ち込みの手荷物に入れておくべきだろう。目的地で大事なプレゼンテーションを控えていたが、ついウッカリと発表材料を預け荷物に入れていたため、預け荷物を紛失したことで資料なしの散々なプレゼンテーションになってしまった人もいる。あるいは、預け荷物に入れていた顧客訪問用のスーツに、一緒に入れていた日本酒の瓶から液が垂れ、スーツについた日本酒の匂いを消すのに苦労をした人もいる。

さらに怖いのは、荷物の中にドラッグなどを入れられ、知らぬ間に「運び屋」にされてしまうことだ。国によっては極刑に処せられてしまうこともある。特に、海外へ飛行機で渡航する際には、さまざまなリスクを承知しておく必要があるようだ。

執筆/大川洋三

慶應義塾大学卒業後、明治生命(現・明治安田生命)に入社。 企業保険制度設計部長等を歴任ののち、2004年から13年間にわたり東北福祉大学の特任教授(証券論等)。確定拠出年金教育協会・研究員。経済ジャーナリスト。著書・訳書に『アメリカを視点にした世界の年金・投資の動向』など。ブログで「アメリカ年金(401k・投資)ウォーク」を連載中。