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NHKの受信料は払っていますか? NHKによると、テレビ所有率などから推計した契約対象世帯のうち、およそ21%が受信料を支払っていないようです。

【NHK受信料の世帯契約数および世帯支払数の推計(全国、2021年3月末)】

NHK「受信料の推計世帯支払率(全国・都道府県別)(2020年度末)」より著者作成

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NHKの受信契約については、受信料の支払いを巡って最高裁まで争われた経緯があります。判決は5年前に下され、テレビを設置する人はNHKと受信契約する義務が認められました。

どのような判決だったのでしょうか。概要を確認しましょう。

「契約の自由」が通用しないNHK

まず、私たちには原則として「契約の自由」が認められています。契約するかどうかは、私たちが自由に決めていいというものです。

【民法第521条「契約の締結及び内容の自由」(一部抜粋)】
何人も、法令に特別の定めがある場合を除き、契約をするかどうかを自由に決定することができる。

出所:e-Gov法令検索 民法

しかし「放送法」は、テレビなどの受信設備を設置したら強制的にNHKと契約しなければならない旨を示しています。先の最高裁では、この取り決めが契約の自由に反しないかどうかが争点の1つでした。

【放送法第64条「受信契約及び受信料」(一部抜粋)】
協会の放送を受信することのできる受信設備……を設置した者は……協会と受信契約を締結しなければならない。

※協会=日本放送協会(NHK)のこと
出所:e-Gov法令検索 放送法

2017年12月6日、最高裁は放送法の合憲性を認め、NHKが受信設備の設置者に強制的に契約させることは合理的と判断しました。また受信設備の設置者が契約に応じない場合、NHKが提訴することで契約を成立させることができ、その場合は受信設備を設置した日にさかのぼって受信料が発生するとも指摘しています。

「テレビがあってもNHKと契約しなければ受信料を払わなくてよい」という話も聞かれますが、上記の判決に照らせば危険と言わざるを得ません。NHKが契約を求めて提訴し、契約が成立した場合、テレビを設置した日から起算して受信料を払う義務が生じます。

なお、放送法第64条には「協会の放送を受信することのできる受信設備」という規定があります。NHKの放送を受信できないテレビを設置した場合、どうなるのでしょうか。

これについても、契約の義務が生じる可能性があります。NHKの放送を受信しないよう特別に加工したテレビを設置した人が、NHKとの契約義務を法廷で争いました。地裁の判決は契約義務がないというものでしたが、高裁は一転して契約義務を認めます。そして2021年12月、最高裁が上告を棄却したため、NHKの放送を受信できないテレビであっても契約義務があるとする高裁の判決が確定しました。