NHKの「インターネット配信」が始まったらどうなる?

NHK受信契約との争いのためか、ワンセグ機能が搭載されたスマートフォン端末は減少しているとする調査もあります。

では今後、NHKで「インターネット配信」が始まった場合はどうなるのでしょうか。2019年5月に改正放送法が成立し、NHKは地上波放送をインターネットに同時配信することができるようになりました。このことから、「スマホを持っているだけで受信料が徴収される」と懸念する声も聞かれます。

インターネット配信における受信料の取り扱いは未知数ですが、現時点ではスマートフォンを持っているだけで受信契約の対象となる可能性は低そうです。

NHKのインターネット配信について検討する「公共放送ワーキンググループ」では、2022年9月の第1回会合において「インターネットに接続する機器を保有しているだけで受信料を払うというような制度をいきなり考えるというのは難しい」という意見が多くの構成員から出されました。また総務大臣も、2022年4月8日に「テレビを設置していない方を新たに受信料の対象とすることは、現時点で考えておりません」と発言しています。

とはいえ、NHKのインターネット配信を巡る議論は来年まで続く予定で、受信料についても確定的なことはいえません。SNSなどではさまざまな憶測が飛び交いますが、不確かな情報に一喜一憂せず、続報を待ちましょう。ちなみに公共放送ワーキンググループの意見は2023年6月ごろに、上部組織の「デジタル時代における放送制度の在り方に関する検討会」の意見は2023年7月ごろにまとめられる予定です。

執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)

証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。