ルノーと対等な関係を目指す日産

ゴーン氏が日産自動車の経営に就いたのは、もともと1999年3月に同社がフランスのルノーと結んだ資本提携がきっかけでした。ルノーは6430億円で日産自動車の株式などを取得し、現在も筆頭株主です(2022年3月末現在)。ゴーン氏は当時ルノーの上級副社長(Executive Vice President)でした。

しかし先月、日産自動車とルノーが資本関係の見直しを検討していると報道されました。ルノーが持つ日産自動車株式を日産自動車が買い戻し、日産自動車に対するルノーの出資比率を引き下げるという内容です。

この実現には、日産自動車に資金的な課題があります。ルノーが持つ日産自動車株式を買い戻すためには数千億円が必要だとみられており、日産自動車はその資金を捻出しなければいけません。また報道は、日産自動車はルノーが新しく設立するEV会社への出資も求められているとも伝えています。当面は日産自動車がどうやって資金を調達するか、注目が集まりそうです。

【日産自動車の業績】

※2022年3月期(予想)は第1四半期時点における同社の予想

出所:日産自動車 決算短信より

【日産自動車の株価(2022年1月4日~10月31日)】

Investing.comより著者作成

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