お笑いタレントの厚切りジェイソンさんといえば、長期積立による資産形成と節約の大切さを説いたベストセラー『ジェイソン流お金の増やし方』を思い浮かべる人も多いはず。

今回、投資に回すお金を生む力、いわゆる“入金力”を上げるために欠かせない「稼ぐ」にフォーカスした続編『ジェイソン流お金の稼ぎ方』が発売されたと聞き、さっそくインタビューを敢行! 同書に込めた思い、そして“より選択肢の多い老後”を送りたいと思うフィナシー読者に向けアドバイスをいただきました。

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――今回の新刊『ジェイソン流お金の稼ぎ方』を拝読しました。自分をアップデートして、市場価値を高め続ける「努力の大切さ」が伝わり、カツを入れていただいた気持ちです。

その通りなんですよね。ただ、実際のところ運の要素も大きいんですけど……努力をし続けないと、いざ運が目の前にやってきてもすぐに応じられないので。

――「努力」というと、厚切りジェイソンさんが今のポジションに登り詰めるまでのエピソードがふんだんに盛り込まれている点も印象的でした。ただ、40代~50代の多くの人は、家庭や仕事でやるべきことがたくさんあって、自分のために自由に使える時間なんて作れない……そんなもどかしさを抱えているはずです。

でもね、「もうこれ以上できません」ってみんな言うんですけど、話を聞いていると、まだ無駄があると感じるケースも多いんですよね。もしかしたら、まだ無駄だと気づいていないことの中にも、不必要なことがあるかもしれない。

会社にお願いされたから考えずに取り組むのではなく、自分のなかで意識を持って、「これを本当にやる必要があるか」「(成果物の)使われる意味が労力に見合っているか」と問い続けると、もしかしたら断ってもいいものがあって、そこをやらないことで時間を作れるかもしれない。

残業を頼まれても、「いやいや今日はやりません」って言っていいと思うんですよ。そんなことを言えば「『イヤな人』って思われるんじゃ……」と考えるかもしれない。けれど、それは周りにイヤな人と思われないためだけに、自分の人生を犠牲にするんですか? という話になるでしょ。僕は他人の目より、自分の成功を優先してきました。周りの目ばかり気にするのは、自分の余裕がなくなる原因です。だいたいいつも「しんどい」と言っている人は、自分でコントロールしていないよね。“言われるがまま”を繰り返していても、都合のいい存在で終わって、自分の時間を作ることは難しくなるだけだと思います。

ただ、正社員として働きながら日本語検定1級を取って、修士号を取って*、というのを50代でするのは、正直僕でも無理。あれは20代でやっておいてよかったと思う。だから、ライフステージにあった「努力」とか「挑戦」があるのも事実だとは思います。

*編集部注:厚切りジェイソンさんの米GE社員時代のエピソード。

――そんな40代、50代が『ジェイソン流お金の稼ぎ方』を手に取って、「稼ぐ力」をつけるための努力をする場合、アドバイスがあればお願いします。

たとえ20代のように“昼夜を問わず”はできなくても、今より少し無駄をなくす、今より少し何かスキルを育てよう、と状況に合わせて許す範囲で稼ぐ力をつけることはできるはず。本に書いてあることをそっくり再現する必要はないです。誰にとっても「少しは取り入れられること」がこの本には詰まっていると思います。