相続税対策には危険がある

実は松野さんのように相続税対策で落とし穴にはまる人は少なくありません。以下で松野さんがなぜこのような目に遭ったのか、本当はどうすればよかったのか、対策方法とともに見てみましょう。

相続税は現預金で一括払いが原則

松野さんが相続税を払えなくなったのは、相続税が基本的に現金一括払いだからです。

不動産などの換金しにくい遺産が多いと、相続財産の評価額は高額になっても相続税を払えなくなってしまいます。特に遺産の大半が不動産の場合、相続人たちが相続税を払えず困ってしまうリスクが高いので、生前に相続税対策をしておくべきです。

相続税の支払い期限

高額な相続税が発生しても、時間をかければ納税資金の用意ができるケースもあるでしょう。例えば不動産を売却したり貯金を作ったりする方法が考えられます。

しかし、相続税は「相続開始後10カ月以内」に支払わねばなりません。松野さんのように弟と意見が合わない場合、意見調整してから売却するには時間が不足しがちです。