肺へのダメージが大きい喫煙

喫煙が肺に良くないことは、しばしば指摘される。長期に喫煙を続けていると、中高年になり、慢性閉塞性肺疾患(従来は慢性気管支炎とか肺気腫といわれた)を患うことが多い。いわゆる肺の生活習慣病だ。症状は回復することがないとされる。

また、パンデミック化した新型コロナは、なかなか終息しそうにないが、このウイルスに感染した喫煙者は、死亡や重症化する確率が非喫煙者の3倍以上になるとのことだ。

筆者も学生時代から新入社員時代にかけてたばこを吸っていたが、どうも体に合わない気がして、入社後しばらくたってから禁煙を決意した。しかし、食後のたばこの味は何物にも代え難く、なかなか実行できない。そこで、たばこを持ち歩かないことにした。だが、食後はどうしても吸いたい。仕方なく近くにいる友人に1本もらうことになる。しかし、その行為が恥ずかしくて無心をやめるようになり、徐々に禁煙に向かい始めた。それでも休みの日などは、日に1本だけは吸うといった状態で完全な禁煙には時間がかかった。最近はさまざまな禁煙グッズが出回っているが、最後は本人の意思が決め手のようだ。

たばこがいかに有害な物かを実感したことが何度かある。たばこをやめる努力をしていた頃、吸い終わった後に水で口をゆすいで洗面所に吐き出したところ、口に含んでいた水が黄みがかった不気味な色をしているのに驚いたことがある。体に有害な液体を吐き出したというのが実感だった。

また、一軒家の社宅に住んでいた頃、庭から和室にアリが上がってきた。吐き出した水の不気味さを体験したばかりだったので、たばこを崩して水に浸した後、その液体をアリが上ってくる部屋の外側に沿って地面に細長く流したところ、それが乾いても効果が残ったのだろう、アリは一匹も部屋に上がってこなくなった。たばこがいかに有毒な物かを思い知らされた。