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アフリカの民主化運動を語る上で、ネルソン・マンデラ氏の存在は避けて通れません。南アフリカ初の黒人大統領で、差別的な政策「アパルトヘイト」を廃止に追い込んだ偉大な人物として有名です。

7月18日はマンデラ氏の誕生日であり、国連が定める国際デーの1つ「ネルソン・マンデラ国際デー」でもあります。今日はマンデラ氏の功績と、南アフリカの概要についてポイントを押さえましょう。

「67分」を人のために費やす日

マンデラ氏は1918年7月18日、南アフリカに生まれます。当時は実質的にイギリス領であり、多くの黒人を少数の白人が支配する社会構造を持っていました。アパルトヘイトは、このような白人による差別的な支配を合法化する一連の政策をいいます。黒人から選挙権などさまざまな自由を剥奪し、トイレなどの公共施設は白人用と黒人用とで明確に区別されました。白人専用の場所に立ち入った黒人は逮捕されることも少なくなかったようです。

マンデラ氏はこのような差別に昂然と立ち向かい、1952年に抵抗運動のリーダーとなりました。しかし1964年、国家反逆罪で終身刑を言い渡されます。投獄は国際社会の圧力などに応じて釈放した1990年までおよそ27年間続きました。マンデラ氏は1993年、彼を釈放した当時の大統領・デクラーク氏と共にノーベル平和賞を受賞しています。

そして釈放から4年後、マンデラ氏が率いるアフリカ民族会議(ANC)は選挙に圧勝し、彼は大統領に就任しました。南アフリカが1652年から続く白人支配から脱却した快挙の瞬間です。

マンデラ氏は大統領就任後、今度は白人を含む南アフリカ全体のリーダーとなりました。長く分断されてきた黒人と白人の和解を呼び掛け、融和路線を取ります。1994年に制定された現在の国旗は黒の部分が黒人を、白の部分が白人を表しており、両者の平等を表現しています。政情が安定した南アフリカは目覚ましい経済発展を遂げました。

国連は2009年、マンデラ氏の誕生日である7月18日をネルソン・マンデラ国際デーに指定し、67分間を人のために費やすよう呼び掛けています。これはマンデラ氏の67年間に及ぶ人道に奉仕してきた期間に由来しています。皆さんも今日は誰かのために骨を折ってみてはいかがでしょうか。