公的保険の保障と私的保険

保険を活用するといっても、無作為に加入してはいけません。保険への加入は、「公的保険」と「私的保険」のバランスを考えるようにしましょう。

私的保険とは、明治安田生命のように民間の保険会社の保険をいいます。対して公的保険とは私たちが強制的に加入しているもので、大きく「公的医療保険」と「公的年金保険」の2つがあります。

公的医療保険は医療費の一部を支払ってくれる制度です。この仕組みにより病院などで治療を受けても、私たちは医療費の全部を支払う必要はありません。基本的に総医療費の7割が公的医療保険から支払われるため、私たちは残りの3割を支払うだけで治療を受けられます。

公的年金保険は、老後などに一定のお金を受け取れる仕組みです。老後は一般に収入が減少しますが、公的年金保険により老後もある程度の収入が期待できるでしょう。受け取れる年金額は支払う掛け金によって異なりますが、日本年金機構が想定する標準的な世帯の場合、2022年6月からの支給額は月に21万9593円となりました。

上記は公的保険の基本的な仕組みであり、他にもさまざまな保障を受けられます。私的保険の中には公的保険と保障が重複するケースもあるため注意しましょう。保障が重複するように私的保険に加入すると、それだけ保険料が無駄になってしまいます。

私的保険への加入は、公的保険の保障が及ばない範囲をカバーするように加入すると無駄がありません。私的保険への加入を検討する前に、まずは公的保険の保障内容をチェックしてみてはいかがでしょうか。

執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)

証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。