保険が加入者全員を守れる理由
保険はよく「相互扶助」や「助け合い」などと表現されるように、加入者全体でリスクを負担し合い、加入者全員を守ることができる仕組みを持っています。例えば以下のようなシチュエーションをイメージしてみてください。
・毎年100人に1人の割合で病気になり、治療に1000万円かかる。
・治療費に捻出できる金額は1人あたり年10万円。
このシチュエーションのポイントは、一人一人が治療費1000万円をためるまでに100年かかり、それまでに全員が病気にかかってしまうという点です。各人の努力では誰一人助かることができません。
そこで、100人それぞれが毎年10万円ずつ出し合って1つの保険を作り、そこから治療費を支払うとどうなるでしょうか。1人10万円ずつ支払うのですから、保険には毎年1000万円のお金が集まります(10万円×100人)。つまり保険は毎年1人分の治療費を支払うことが可能となるのです。
病気となる割合は毎年100人あたり1人のため、この保険は1年に1人分の治療費を支払えば必要十分です。翌年に病気になる人の治療費は、翌年に集まる1000万円から支払えば問題ありません。これを繰り返すことで、この保険は加入者100人全員を救うことができるのです。一人一人の負担(10万円)を変えず、保険を介すだけで全員を救うことができました。
これが保険の基本的な考え方で、実際の保険にも同様の仕組みが備わっています。将来の支出には貯蓄で備えることが基本ですが、上記シチュエーションのように貯蓄だけでは対応できないケースは少なくありません。貯蓄だけで備えるのではなく、保険も上手に活用するようおすすめします。