先日ソフトバンクグループの決算が話題を集めました。最終赤字1兆7080億円を計上し、同社では過去最大の赤字幅のようです。傘下のビジョン・ファンドが計上した3兆5474億円の損失が響き、前期の4兆9879億円の黒字から一転して巨額赤字となりました。

しかし、上には上がいます。19年前の5月26日、これを大きく上回る2兆3771億円もの赤字決算が発表されました。日本企業で歴代最大の赤字額で、現在でもこの記録は破られていません。

発表した企業はみずほフィナンシャルグループ。今でもたびたび世間を騒がせていますが、当時も大きな話題を集めていました。

今日は日本の赤字額ワースト記録を持つみずほフィナンシャルグループについて注目しましょう。

最終赤字2.3兆円! 巨額損失の理由

日本で過去最大の赤字決算となったのはみずほフィナンシャルグループの2003年3月期です。3兆4359億円もの経常収益(売上高に相当)がありながら純損失は2兆3771億円に上りました。

巨額損失の主な要因は「営業経費」と「与信関係費」、「株式関係損益」です。営業経費は人件費や物件費などの費用で1兆2376億円となりました。与信関係費とは主に貸し出しに関する損失で、不良債権の処理などに伴い2兆923億円もの計上となりました。

もっとも営業経費と与信関係費は前期(みずほフィナンシャルグループの前身「みずほホールディングス」。以下同)にそれぞれ1兆3682億円と2兆4876億円を計上していたため、こちらはむしろ改善しています。

前期比で大きく悪化したのは保有株式の売却にかかる株式関係損益でした。こちらは9249億円の損失となり、前期(1167億円の黒字)から1兆円以上悪化しています。