最後に、老後のお金で20代が「いま、できる、こと」

結論から申し上げると、「学生納付特例制度」を利用していた方は、社会人になったら、国民年金の「追納」を忘れないようにしていただきたい、ということです。

実は、この「学生納付特例制度」、保険料の「免除」ではなく、「猶予」、つまり、保険料の納付を先送りしているだけなのです。ですから、10年以内に、学生時代に猶予されていた保険料を「追納」、つまり、後で払わないと、将来の年金額に反映されないのです。

例えば、学生の間の2年間、保険料の納付を猶予された後に「追納」を忘れてしまうと、将来受け取る基礎年金の金額が2年間の未納分の割合だけ減ってしまうのです。ざっくり言えば、毎年4万円くらいの年金が減ってしまう勘定になります。これが終身、つまり、年金を受け取りはじめてから一生続くわけですから、バカにならない金額ですよね。

ですから、社会人になったら、「追納」を忘れないでほしいと思います。言ってみれば、国民年金の保険料を「追納」することが、社会人になった20代の皆さまにとっての老後資金準備の第一歩、つまり、老後のお金で「いま、できる、こと」になるのです。そんな気づきを、今回の記事からくみ取ってもらえれば嬉しいですね。ご参考になれば幸いです。