前回の記事『金利18%なら借金は4年で2倍…お金を借りるなら知るべき「2つの大切なこと」』の冒頭で、成人年齢が18歳に引き下がった、という話をしました。でも、お酒を飲んだり、タバコを吸ったりすることが認められるのは、20歳からというのは変わっていないですよね。同じカテゴリーというわけではありませんが、国民年金の保険料納付義務が生じるのも20歳になったときから、というのは変わりません。皆さんも20歳になったとき、日本年金機構からお知らせが届いたことを覚えているでしょう。

この国民年金は、高齢者の暮らしを支える土台となる制度です。この保険料を納付することは、20歳になったら義務になるわけですが、中には納付していない人もいるようですね。その理由を確認してみましたのでご覧ください。

【ご参考】20~24歳が国民年金の保険料を納付しない理由※1
・保険料が高く、経済的に支払うのが困難:67.7%
・うっかりして忘れた、後でまとめて払おうと思った:11.9%
・納める保険料に比べて、十分な年金額が受け取れないと思う:6.6%
・年金制度の将来が不安・信用できない:2.4%
・厚生労働省・日本年金機構が信用できない:1.7%
※1 出所:厚生労働省年金局「令和2年国民年金被保険者実態調査 結果の概要

この理由を確認してまず思ったのは、日本の年金制度に対する不信感をもっている人はそれほど多くない、ということです。制度の将来が不安であるとか、お役所が信用できない、といった理由も、あわせて5%以下ですね。そして、「納める保険料に比べて、十分な年金額が受け取れないと思う」といったように、国民年金の損得勘定を気にする人も、そんなに多くはないのです。マスコミでは、とかく、センセーショナルに不信感や損得を煽る報道が多いわけですが、20代の皆さまは、とても冷静に国民年金のことを理解している、そういうことだと思います。でも、うっかりして払うのを忘れていた人や、保険料が高いと嘆いている20代の皆さまには、これを機会に、公的年金のことをちゃんとお伝えしたい、そんなふうにも思いました。

ですから、今回はまず、日本の公的年金のことを簡単に説明します。そして、あえて、損得という側面でも国民年金の制度に切り込みたいと思います。最後は、今回のテーマである、20代が老後のお金のために「いま、できる、こと」を紹介しますので、ゆっくり一つずつ、理解を重ねながら読んでみてください。