自動移換には、デメリットばかり
自動移換者の年金は、企業型確定拠出年金(DC)から自動移換をされてはいますが、年金資産がなくなっている訳ではなく、「国民年金基金連合会」が預かっている状態です。
企業型確定拠出年金(DC)は、ある意味、将来の退職金として会社が毎月積み立ててくれたものです。それが自動移換されて預かってもらえているわけですから、安心そうに思えますが、実はいくつかの問題点があります。
①自動移換であっても毎月の手数料がかかる
②運用はできず、現金として寝かされている
③移換手続きに手数料がかかる
④60歳ですぐに受け取れない可能性がある
iDeCo(個人型確定拠出年金)でもそうですが、銀行に預けるのと違い、預けている間であっても毎月の費用として52円/月が掛かってまいります。さらに運用はできず、現金として寝かされていますので、本当に手数料がただ資産から引かれている状態が続きます。
さらに、他にも手数料が掛かってまいります。
まずは、企業型確定拠出年金から自動移換されてしまった際の手数料※
●特定運営管理機関への移換手数料 3,300円
●自動移換に関する事務手数料 1,048円
国民年金基金連合会から、他の年金資産へ移換する際の手数料※
●特定運営管理機関からの移換手数料 1,100円
●個人型確定拠出年金への移換 2,829円
※資産が0円の方の負担はありません
また、年金資産を受け取る時には、脱退一時金の受取り時に4,180円が掛かります。このように、置いておくことはあまり良いとは言えない状況かと思います。
また、4つ目の「60歳ですぐに受け取れない可能性がある」、これは自動移換に限らず、確定拠出年金のルールになるのですが、加入期間が10年以上ないと、60歳になっても資産を受け取ることができません。“加入期間”となっていますが、自動移換中の期間は”加入期間”として認められないため、累計の加入期間が10年未満だと60歳になってもすぐに受け取ることができず、これまでに確定拠出年金として積み立てた期間によって、受け取ることができる年齢が変わってきます。
このように、自動移換は、かなりデメリットが多い状況なのです。