Finaseeに訪れている人には関係ないかもしれませんが、もし近くで「転職時、退職時に企業型確定拠出年金の手続きをしていなかった」という声が聞こえた場合は、ぜひiDeCoについての情報を教えて差し上げてください。

なぜかと言うと、”自動移換”されないようにして欲しいのです。もしされてしまっていたら、自動移換を解消して欲しいのです。

自動移換とは、企業型確定拠出年金(DC)に加入している方が、離職・転職などにより、年金資産を他の確定拠出年金制度に移換をする手続きなどを6カ月以内に行わず、自動的に現金化され「国民年金基金連合会」に移されること。

この自動移換されている状態というのは、FPから見ると非常にもったいない状況だと感じているのですが、実はかなり多くの方が、自動移換されてしまっています。

ここで、国民年金基金連合会が発行している、業務報告書や最新のiDeCo(個人型確定拠出年金)から、自動移換の状況を見てみましょう。

 

自動移換されてしまった方々は、2022年1月現在で、100万人もいるそうです。自動移換者は、毎年10万人以上にものぼっています。

しかも、自動移換されてしまった年金額は、令和2年度 国民年金基金連合会業務報告書によりますと、積もりに積もって、なんと2,395億円(2021年3月31日現在) にもなっています。

さらに一人当たりの平均額を試算してみたいと思います。実は半数近く(43.8%)の方は、残高が0となっているのですが、一方で資産額が1円以上の自動移換者は約56万人もおられ、一人当たりに換算しますと資産額は427,781円にもなります。

せっかくの将来の年金資産ですので、ほったらかしにしないで頂きたいのです。

出所:「iDeCo(個人型確定拠出年金)の制度の概況(令和3年3月末現在 国民年金基金連合会)」