2017年以降、確定拠出年金は大きく変わっています
自動移換のデメリットが分かったところで、この状況を解消する方法を考えてみます。まず、企業型確定拠出年金や確定給付年金があれば移せるか確認しましょう。無理な場合、iDeCo(個人型確定拠出年金)に移すことが可能です。
※一定の受給要件を満たしている場合は脱退一時金として引き出すことも可能です。
ただし、基本的には次の方法、iDeCo(個人型確定拠出年金)に移すしかなく、個人的にも一番良い方法と思っています。
2017年までは、iDeCoは一部の人しか利用できませんでした。具体的には、国民年金に加入している、自営業者やフリーランスの方、もしくは企業年金の制度がない一部の会社員だけが利用できる制度でしたので、離職や転職時などにも移すことができず、手続きをしなかった方が多かったのだと思います。
しかし、2017年の大きな改正によって、積み立てられる金額に差はありますが、60歳以下の多くの方がiDeCoを利用できるようになりました。もしかすると、あの時は無理だったかもしれませんが、今はできるということもあると思います。ぜひ再度チェック頂きたいと思っています。
iDeCoを利用することで、先ほど挙げた4つのデメリットをほぼ回避することができます。
①自動移換であっても毎月の手数料がかかる
➡iDeCoには所得控除があります。所得税や住民税の還付があればカバーできます。
②運用はできず、現金として寝かされている
➡必ず増えるとは限りませんが、リスクを取ることでリターンを得られるかもしれません(長期投資推奨)。
③移換手続きに手数料がかかる
➡所得控除ができるとカバーできますし、手数料以上に増えることが期待できます。
④60歳ですぐに受け取れない可能性がある
➡iDeCoで積み立てると、加入期間としてカウントされますので解消できます
①、③については、収入(所得)がないと、所得控除のメリットを受けることはできませんが、収入がない場合も②、④ を使うことは可能です。