家も1回払いで買えたらいいのですが……
それでは、最後に、クレジットカードの使い方を踏まえて、住宅購入のことを考えてみましょう。
でも、家をクレジットカードで買う人って、あんまり聞いたことがないですよね。当たり前の話ですが、家は1回払いで買えるような金額ではないからです(笑)。新築住宅を買うとなると、全国平均でも3000万円から4000万円といった大きな金額になります。だから、住宅購入費は「人生の3大支出」の一つと言われているのです。
【ご参考】新築住宅の所要資金(全国)※5
・建売住宅 3495万円
・マンション 4545万円
※5 出所:※住宅金融支援機構「2020年度 フラット35利用者調査」
そして、このような大きな金額ですから、通常は、銀行から住宅ローンを借りて家を買う人が大多数です。20代の皆さんは、あまり自分事として想像できないかもしれませんが、住宅ローンの話となると、金利や返済方法のテクニカルなことが気になる人が多いようですね。でも、住宅ローンもクレジットカードと同じ借金ですから、考え方は同じだと思います。どういうことなのか、ご説明しましょう。
クレジットカードも住宅ローンも同じ借金だから……
まず、思い出していただきたいのは、クレジットカードを使うときの1つ目の注意点。使わないことが1番ですが、使うときはなるべく1回払いにすること、でしたよね。でも、家を買うには1回払いでは難しい、という話もしました。であれば、まず考えるべきは、なるべく借金をしないこと、つまり、以下に記載した「お金を借りて家を買うときの注意点」の1つ目、頭金と呼ばれる自己資金を多めに用意することが、住宅ローンを検討するうえでは一番大切になるのです。
【ご参考】お金を借りて家を買うときの注意点 ※6
・自己資金を多めに用意する
・返せる額を借りる。毎月の返済額を、家計管理上、余裕をもって返せる額とする
・住宅ローンにつき、できるだけ金利負担や総返済額が小さい方式を選ぶ
※6 出所:金融広報中央委員会「大学生のための人生とお金の知恵」
クレジットカードを使うときの2つ目の注意点は、余裕をもって返せる金額にすることでした。これはご覧いただいている住宅ローンの2つ目の注意点と、まったく同じことを言っていますよね。そして、3つ目にようやく、住宅ローンの金利や返済方法の話が出てくる、そんな順番になるのです。
ですから、クレジットカードで買い物するときも、住宅ローンを使って家を買うときも、どちらもお金を借りる、借金をする、ということですから、経済行為としてはどちらも同じ、当然、注意点も同じになるのです。そして、20代の今のうちから、成人のたしなみとしてクレジットカードを正しく使っていくことが、ゆくゆくは「人生の3大支出」の一つとも言われる、家を買うときにも役に立つ、そんなことにも気づいていただければ嬉しいですね。ご参考になれば幸いです。