テスラ、GM、フォードなどの各社の戦略とは

市場関係者の中にはテスラの22年の新車販売台数は150万台程度(21年度は約93万台)まで伸びると予想する者もいる。実際、テスラは3月22日に3か所目の完成車組み立て拠点としてドイツ・ベルリン郊外の工場で生産を開始した。米国と中国の既存工場でも増産投資を進め、22年中には世界生産能力が200万台を超える見通しだ。

GMは、2040年までにカーボンニュートラル化をし、35年までに新車販売のすべてをEVや燃料電池車(FCV)などゼロエミッション車にする計画を進めている。そのために、まず30年までに主力の北米と中国の製造拠点の50%以上をEV生産に切り替える計画だ。22年1月にはミシガン州にある4カ所の生産拠点に70億ドル以上を投資し、バッテリーセルと電気自動車(EV)のピックアップトラックの生産能力を大幅に増強すると発表。単独投資としてはGM史上過去最大となる。中期的には25年までに30車種以上のEVを発売し、EVと自動運転車に350億ドル(約4兆円)投資する計画だ。

フォードは、30年までに世界販売の5割をEVにする計画だ。そのために、26年までに年間200万台以上のEVを生産し、世界販売の3分の1をEVに切り替える計画だ。21年9月には114億ドル(約1兆2600億円)を投じて米国内に電気自動車(EV)組立工場とEV用電池の生産工場を新設すると発表した。生産設備への一度の投資額としては同社史上最大となる。そして22年3月には電気自動車事業をガソリン車事業から分離し、独立採算性にすると発表。中期的には25年までに300億ドル(約3兆6000億円)を電動化へ投資すると発表しており、さらに投資額の増額を視野に入れているとされる。