ポートフォリオの利回り改善には長期保有を前提とした安定成長企業を意識する

日本にも、この手の連続増配銘柄はあります。たとえば花王などはその代表例で、32期連続で増配を続けています。株価は2018年10月2日に9290円をつけており、この株価で花王株を買った場合の配当利回りは、1.29%ですが、2022年2月18日時点の株価は5338円まで下落しています。2022年12月期の予想配当金額は148円ですから、配当利回りは2.77%まで向上します。

注意しなければならないのは、瞬間最大風速で配当利回りが急上昇した銘柄です。たとえば日本だと2021年3月期にエイベックスが11%を超える配当利回りを出しましたが、理由は固定資産の譲渡に伴う特別利益が計上されたからでした。
特別利益はあくまでも特殊事情によって生じた利益ですから、あくまでも瞬間的な高配当利回りということになります。

ちなみに2022年2月18日時点の株価で計算した同社の配当利回り(会社予想)は年3.71%です。このような、特殊要因による高配当利回り銘柄は対象外にしましょう。その一方で、業績が安定成長しており、倒産リスクの低い優良企業の株価が大きく下げたところは、ポートフォリオの利回りを改善する絶好のチャンスです。株式を長期保有するという前提で投資する場合、このように連続増配銘柄を中心に銘柄を選ぶと、株価の値動きに一喜一憂することなく、少しは心穏やかに株式投資が出来るようになるのではないでしょうか。