どんどん利便性が良くなってきたiDeCo

続いて、2~5位の制度への不満ですが、こちらは毎年どんどん改善されていっています。私が検討した2008年ごろはiDeCoに関する情報が非常に少なく、iDeCoを知っているFP(ファイナンシャルプランナー)も多くなく、相談もできませんでした。ですので、iDeCoはマニアが利用する制度という印象でした。何をするにしても苦労がありましたが、今は情報も豊富になり制度もどんどん良くなってきています。

そもそも2016年までは、iDeCoという愛称もなく「個人型確定拠出年金」や「日本版401k」と言われていました。2016年に一般公募で愛称が募集され、30代の女性の案である「iDeCo」が採用されました。そこから認知度が上がってきたように感じます。

さて本題の2位「手続きが面倒くさそうだ」、3位「相談できる人がいない」
2016年の愛称の決定、2017年からのiDeCoへ加入できる対象者が増えたことによって、iDeCoを管轄している厚生労働省や国民年金基金連合会、窓口となる金融機関、そしてお金の専門家である社労士(社会保険労務士)やFPたち、業界全体の意識が一気に変わっていきました。

何よりも大きいのは、iDeCoに関する書籍が多く発行され、セミナーや相談できる場所も着実に増えてきていることです。さらには、iDeCoナビをはじめとする比較サイトの情報が充実したことで、悩むポイントも少なくなっていると思います。

4位「口座管理手数料がかかる」
4位については、税制優遇のメリットがある程度をカバーしてくれます。
確かに日本では、口座を持つだけで口座の維持費・管理手数料が掛かることは、まずありませんので嫌なものだと思います。月々の口座管理手数料ですが、3つの費用から成り立っています。

・国民年金基金連合会 105円(年金の納付チェックや給付などを管理)
・事務委託先金融機関 66円(年金資産を管理)
・運営管理機関 0円~418円(金融機関、運用商品を提供)

となっています。

運営管理機関は、預かっている金融商品から収益を得ることもできるので、0円としている金融機関もありますが、大事な個人の年金資産を管理するためにも、連合会への費用負担は仕方がないと言えるでしょう。

しかしiDeCoの場合には、所得控除という税制優遇がありますので、働いている人であれば口座管理手数料以上の税制優遇メリットがあり、そこまで気にする必要はないかと思っております。

5位「60歳まで解約することができない」
確かに厳しい制限に見えますが、その他の退職金も基本的には60歳前に退職しない限りは先に受け取ることはできませんので、iDeCoだけが厳しいわけではありません。

さらに2017年以降は、60歳までのほぼすべての方がiDeCoの加入対象にもなったことにより、ポータビリティ(年金資産の持ち運び)が拡充され、退職・転職などの際に、条件にもよりますが、企業型確定拠出年金や確定給付企業年金など、他の退職金制度にも持ち運べるようになりました。これにより、iDeCoだけではなく、会社に企業型の確定拠出年金があって良かったと言えるようになってきていますが、さらなる改善に期待しています。

ちなみに、会社経由で加入する企業型確定拠出年金の加入者数は750万人。一方のiDeCoは220万人、まだまだ加入者が少ないのが現状です。「お金がないから始められない」「iDeCo難しそう」などの誤解で、身近にあるせっかくの制度を活用しないのはもったいないと思っております。iDeCoは、私が半年悩んだ末に始めた2009年から比べても、いい仕組みに変わってきています。

次回は参考になるかわかりませんが、私のiDeCoの具体的な数字を紹介していきます。ぜひiDeCo(個人型確定拠出年金)をチェックしてみてください。