社会に出る前に知っておきたいお金の知識

成人して社会に出ると、それまで以上にお金に触れる機会が増えるでしょう。知っておきたいお金の知識はたくさんありますが、ここでは特に気を付けたい「リボ払い」と「キャッシング」について確認しましょう。

・「リボ払い」は返済期限を定めない返し方

クレジットカードは、クレジットカード会社がいったん支払いを立て替え、私たちは後日返済するサービスです。返済の仕方は「1回払い」や「分割払い」が一般的ですが、「リボ払い」という方法もあります。

リボ払いは、利用額にかかわらず一定額を返済する方法です。例えば月に1万円を返すという契約の場合、利用額がいくらであっても毎月1万円を返し続けます。返済回数が決まっている分割払いと異なり、完済できる時期は決まっていません。

リボ払いは利用が増えても返済額が増えないため、つい使い過ぎてしまうことが懸念されます。しかし、当然ですが利用するほど残高は確実に増加し、完済までの期間は長くなります。使いすぎには十分注意しましょう。

・キャッシング金利は法定ぎりぎりの高さ

クレジットカードやカードローンは直接お金を借りることもできます。これを「キャッシング」といいますが、その金利は「利息制限法」が定める上限金利ぎりぎりに設定されていることが多いでしょう。

【利息制限法が定める上限金利】
・10万円未満の借り入れ:20%
・100万円未満の借り入れ:18%
・100万円以上の借り入れ:15%

出所:e―GOV法令検索 利息制限法

キャッシングは使い道に制限がないほか、担保や保証人も原則いらないため簡単に借金できます。しかしその負担は決して軽くありません。くれぐれも借り過ぎないよう注意してください。

特に注意したいのは、支払いにキャッシングを勧める悪質な業者の存在です。国民生活センターによると、高額な商品やサービスの支払いとしてキャッシングを指示し、強引に契約を迫られたという相談が全国で寄せられているそうです。

出所:国民生活センター 【若者向け注意喚起シリーズ<No.4>】借金するよう指示し、強引に契約を迫る手口に注意

キャッシングは高金利の借金であることをしっかり認識し、利用は慎重に検討しましょう。なお悪質な業者にキャッシングを迫られた場合は「消費者ホットライン」にすぐに相談してください。契約を取り消せる「クーリングオフ」には期限があります。電話番号は「188」もしくは「03-3446-1623」です。

執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)

証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。
AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。