今日は成人の日です。新たな門出に立つ姿を見ると、こちらまで晴れやかな気持ちになりますね。新成人の皆さん、おめでとうございます。
実は今年は成人年齢が18歳に引き下げられる年でもあります。どのように変わるのか、概要を簡単に確認しましょう。また社会に出る前に知っておきたいお金の知識についても解説します。
成人の日の由来
成人の日は埼玉県蕨(わらび)市が発祥です。敗戦後の地域を盛り上げるため、1946年に蕨町青年団が中心となり「青年祭」を開催しました。その幕開けとして行われた「成年式」が現在の成人式のルーツとなっています。
蕨市の成年式は国からも関心が寄せられ、1948年に国民の祝日として「成人の日」が制定されました。成人式は全国各地で開催されるようになります。なお、蕨市では現在でも「成年式」と呼んでいるようです。
ちなみに成人の日の由来となった第1回青年祭は、1月ではなく11月に行われました。成人の日が1月になった理由は、新年に行われる「元服の儀」の慣習に合わせたためだといわれています。
今年から成人が18歳に引き下げ
冒頭お伝えした通り、2022年4月1日に成人年齢が18歳に引き下げられます。この時点で18歳以上20歳未満の方(2002年4月2日~2004年4月1日生まれの方)は、民法上、一斉に成人を迎えることになります。
大人になることは喜ばしいことですが、未成年の特例がなくなる点には注意しましょう。未成年者は保護者の同意なしに契約はできず、仮に同意を得ずに契約しても後で取り消せる「未成年者取消権」が民法で認められています。未成年者はこの決まりにより、悪意のある契約を結んだ場合でも法的に保護されるのです。
【民法第5条「未成年者の法律行為」(一部抜粋)】
1.未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。
2.前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる。
出所:e―GOV法令検索 民法
今年の4月以降、それまで未成年だった18~19歳の方は成人となり、未成年者取消権が適用されなくなります。つまり一人の大人として有効に契約できる一方、後で取り消すことはできません。買い物やサービスの申し込みは、これまで以上に慎重に臨みましょう。
なお、お酒やたばこが解禁される年齢は20歳のままで変更はありません。成人式の対象年齢は自治体によって異なるため、もしかすると年齢を引き下げる自治体が出るかもしれません。ちなみに成人の日発祥の地である蕨市は20歳のままで行うようです。