最後に~これからの働き方を模索している人へ~

フリーランスは働き方に縛られず、やりたいことにチャレンジできるのがメリットです。会社員のように給与が決まっているわけではないので、年収に上限はありません。その一方で思うように売上が伸びないというリスクも。また年金や社会保障制度で保障される範囲は限定的です。そのうえ、売上・経費の管理や社会保険料金・税金の納付は自分で行う必要があるため、基礎的な会計や簿記の知識が求められます。

このような点を踏まえるとフリーランス・会社員に向いているのは、それぞれ以下のようなタイプの人だと言えるでしょう。

フリーランスに向いている人
・多少のリスクがあっても自分の望む働き方や生き方を実現したい
・セルフマネジメントができる
・自分でお金を管理するのが苦ではない

会社員に向いている人
・安定した収入を得たい
・厚生年金や退職金としてある程度決まった老後金額を準備したい
・税金や社会保険料の管理は会社にまかせて業務に集中したい

本シリーズではフリーランスと会社員の「お金」に関わる部分に着目して比較してきました。しかしそれだけではなく、どちらのほうが自分の目指す働き方や暮らしが実現できそうかという点も踏まえて検討することがフリーランスとして長期的に成功する鍵だと考えます。

筆者も会社員からフリーランスになった身ですが、自分が望む働き方ができるという面では大きなメリットを感じています。その反面、年金や社会保障の面では物足りなさもあり、それを補う手段として「お金の知識を身に付けること」は非常に重要だと実感しています。

4回にわたって解説してきたフリーランスと会社員をとりまく各種制度の違い。会社員の方は社会保険料や所得税・住民税が給与から天引きされるため、その仕組みや全体像を意識する機会がない方もいるでしょう。フリーランスとして将来的に独立を考えている会社員の方が、本記事をきっかけに年金や社会保険制度等について理解を深めていただけたのであれば幸いです。