3.2年間払うと保険料のモトが取れる「付加年金」

付加年金は老齢基礎年金に上乗せできる公的年金です。国民年金保険料とは別に付加年金保険料を加えて納めることで、将来もらえる老齢基礎年金額を増やすことができます。しかもその年金額が “生涯”続きます。

付加年金保険料は、国民年金の第1号被保険者および任意加入被保険者が納付することができます。ただし、後述する国民年金基金に加入している場合は、付加年金保険料を納めることはできません(併用不可)。どちらが自分に向いているか、比較検討することをおすすめします。

付加年金保険料は月額400円。国民年金保険料といっしょに納付します。付加年金の年間給付額は「200円×付加保険料納付月数」という式で計算します。

付加保険料を20~60歳の40年間(480月)納めた場合の付加保険料納付額と付加年金額を見てみましょう。

①    付加保険料納付額(総額)
= 月額保険料 × 付加保険料納付月数
= 400円 × 480月
= 19万2000円

② 付加年金額(年間)
= 200円 × 付加保険料納付月数
= 200円 × 480月
= 9万6000円 (この金額が老齢基礎年金に上乗せされる)

将来受けとれる「②付加年金額」は「①付加保険料納付額(総額)」の1/2となっていることがわかります。つまり付加年金を2年間払えば、納めた保険料のモトが取れるということです。

付加年金での資産形成に向いている人

付加年金は月額400円という少ない保険料で効率的に将来の年金額を増やしたい方に向いています。小規模企業共済やiDeCoより毎月の保険料負担が少ないので、少ない金額から確実に資産形成を始めたい方にはおすすめです。ただし保険料負担が少ない分、上乗せされる年金額のインパクトが少ない点には注意が必要です。老後までにより多くの資金を準備したい場合は、ほかの資産形成制度と併用することをおすすめします。